女王様は上機嫌【GL】
体育の授業が終わって。
更衣室で着替えていると、ユカがすがりついてきた。
「奈々子ぉ疲れたぁ」
「はいはい」
頭を撫でてやると、ぎゅうっと抱きついてくる。
ふと。
部屋の隅っこの人陰が目に入る。
長い黒髪と、白い背中。
華奢な手が首筋をタオルで拭いている。
薄い水色の下着がちらりと見えた。
綺麗だなあ、と思った。
肌なんかスベスベだし。
胸は小さいみたいだけど、まあ痩せてるからなあ。
――あ。
肩にホクロあるんだ。
「あのお、大変言いにくいんですがー」
突然、耳元でユカの声が響いて、はっと我に返る。
わたし、千鶴のこと凝視してなかったか?!
「――な、なに?」
軽く咳払いして聞いてみたら、
「奈々子ってば、ちょっと太った?」
「えええ?!」
思いがけない言葉に、かなりの精神的ダメージを受けたのだった。