女王様は上機嫌【GL】
 

「いたた‥‥」

体を起こそうとしたら、全身がギシギシと痛んだ。



わたしの上に乗っかっている千鶴は、思ったより軽い。

「だ、大丈夫?」

細い肩を揺する。

「千鶴!」

揺する。


どうしよう。

まさか、変なとこ打っちゃったんじゃ――。


「‥‥至近距離で叫ぶんじゃねーよ」

千鶴が手すりに掴まって、ゆっくりと立ち上がった。

やっぱり彼女も痛いんだろう。

表情が険しい。



「――奈々子」

「え?」

「誰か見なかったか?」

「え?」

千鶴は階段の上を睨みつけていた。


――誰か、って?

 
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