女王様は上機嫌【GL】
転校生
翌朝。
「うわあああ!」
洗面台の鏡の前でわたしは叫んだ。
「ちょっとなによーうるさいんだけど」
お母さんが文句を言いながら、洗面所を覗き込む。
「見て見て、ほら、この寝癖すごくない?」
「はあー?」
「少年漫画の主人公みたいでしょ!」
いろんな方向に逆立った毛先を引っ張って見せる。
そんなわたしに、お母さんは呆れた顔を向けた。
「どうでもいいけど、早く寝癖直さないと遅刻するわよー」
「う。わかってるよー」
ちぇっ。ノリ悪いの。
わたしは鏡に映るツンツン頭と格闘を始めた。
これはなかなか骨が折れそうだ。