女王様は上機嫌【GL】
体育祭
「おっはよー」
「今日は頑張ろうね!」
爽やかな声がこだまする。
待ちに待った体育祭の、当日。
わたしはいつもより早く教室に入った。
運動は参加できないけど、頑張って応援するつもり。
だってやっぱり、イベントって楽しいから。
わたしを見つけたユカが、とたとたと駆け寄ってくる。
「ユカはテニスだよね。応援行くから」
「うん。でもどうしよう、緊張するよ~」
「大丈夫だって。練習見たけど、上手かったじゃん」
「でもでも~」
緊張する気持ちはわかる。
なにしろ、一回戦目の相手は三年生だ。
「なんで全クラス対抗なのお? 学年別にしてくれればいいのに」
「毎年そうなんだから、仕方ないよ」
それにたぶん。
一番緊張しているのは一年生だ。
去年のわたし達がそうだったから。