女王様は上機嫌【GL】
 

ハーフタイムが終わる。



コートに戻っていくメンバー達。

その時、メンバーのひとりが千鶴に声をかけた。

「勝てると思う?」

「無理だろ」

千鶴はあっさりとそう答える。


けれど、一瞬で表情を曇らせたその子の肩を叩いて。

「でも、あいつらから点を取ることくらいは出来るんじゃねーの」

千鶴は不敵な笑みをみせた。



第3クォーター。


さっきよりディフェンスの動きが良くなった。

相手の攻撃が弱まる。

千鶴の指示でマークする相手を変えたのが良かったみたい。


千鶴がひとりひとりの動きの特徴も教えてくれたし。

みんな、ちゃんと相手を見るようになった。



けれど、試合中の千鶴はやっぱり動かない。

ボールのある場所から離れて、眺めているだけ。

 
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