女王様は上機嫌【GL】
試合が終わって。
体育祭も終わって。
帰り支度をはじめた千鶴に、わたしは話しかけた。
「作戦通りだったねえ」
「まあな」
わたしの言葉に、千鶴は事もなげに答えた。
千鶴へのパスを、チームメイトにカットさせる。
そして、そのままシュートさせる。
あれはハーフタイムの間に、千鶴が指示してやらせたものだった。
まあ、第4クォーターでは通用しなかったけど。
チームメイト達もやって来て。
「宝田さん、位置もタイミングもバッチリだったよ」
「うん。邪魔がなかったから、カットもシュートもしやすかった」
みんなが笑顔で千鶴に話しかけるけど、
「そういう時を狙ってたんだから、当たり前だろ」
千鶴は無表情だ。
もうちょっと愛想よくできないのかな。
基本的に怖がられてるから、こういう機会ってあんまりないのに。