女王様は上機嫌【GL】
 

試合が終わって。

体育祭も終わって。


帰り支度をはじめた千鶴に、わたしは話しかけた。

「作戦通りだったねえ」

「まあな」

わたしの言葉に、千鶴は事もなげに答えた。



千鶴へのパスを、チームメイトにカットさせる。

そして、そのままシュートさせる。


あれはハーフタイムの間に、千鶴が指示してやらせたものだった。

まあ、第4クォーターでは通用しなかったけど。



チームメイト達もやって来て。

「宝田さん、位置もタイミングもバッチリだったよ」

「うん。邪魔がなかったから、カットもシュートもしやすかった」

みんなが笑顔で千鶴に話しかけるけど、

「そういう時を狙ってたんだから、当たり前だろ」

千鶴は無表情だ。



もうちょっと愛想よくできないのかな。

基本的に怖がられてるから、こういう機会ってあんまりないのに。

 
< 94 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop