狼ゴコロは愛のイロ
雅はあれから、その佐藤修矢について調べていることを教えてくれた。
大体、20代後半で顔も整っていると、アパートの大家の女性の証言が書類に書かれていたらしい。
「でもおかしいんだ。その男の家に度々女性が尋ねてきてたらしい」
「え?・・・・なんで?」
「俺もわかんない。普通好きな女をストーキングするはずなのに、身近に女性がいるなんて・・・」
「・・・お姉さんとか妹とか・・・」
「・・・分からない。今はまだそこまでの情報しか届いてないんだ」
「そう・・・。もう今日みたいに会社にものが届かないといいんだけど」
「あぁ。きっと玖美がその会社の秘書に気に入られていると知って・・・」
あたし達はハッとした。
あたしがあの秘書の方に気に入られていることは、ごく僅かな人間しか分からないはず。
2年程前からうちと契約して、初めてお会いしたときの眼差しでのどかは見抜いたと言っていた。
「他会社にも敵が・・・」
無視。
あの場には数人の女性がいたからその中の誰かが?