狼ゴコロは愛のイロ


翌日からは、問題がないとわかったからいつも通り、佐藤さんと挨拶を交わした。



最近顔を見なかったから体調でも悪かったのかと思った、と心配してくれていた。



疑っていたあたしを心配してくれていたことに、申し訳なく感じてしまった。






だけど、その日からあたしは毎晩うなされた。



小包から始まり、昨日の花束、次に香水、次にアクセサリー、次にあたしだけの写真や、雅だけの写真。



そしてそれに付属するカードの内容もヒートアップしていった。



【キミのこといつも見ている】


【キミは逃げられないよ】


【いっそ、キミの旦那を殺してしまおうか】





送られる日は日を置いてだったり続けてだったりと、まばらだから、いつ来るかと不安で仕方なかった。





「っ・・・ふ・・・・・・ぅっ・・・」


「玖美、玖美・・・ごめんな。守って言っておいて、俺は」


「謝らないで、雅。・・・雅はあたしを守ってくれてるよ。でも、この恐怖だけは・・・っどうしようもないの・・・」



うなされるあたしを毎晩起こして、優しく抱き締めて背中を撫でてくれる雅。



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