狼ゴコロは愛のイロ


だけど、とうとうあたしは、体調を崩してしまった。



会社に行けなくなり、ずっと寝込んだ状態。




雅は、自分が会社に行っている間、部屋にあたしを一人残すのが心配だと言って、しばらくあたしは雅の実家にお世話になることになった。



――――・・・
―――――――――――・・・


「起き上がれる?お粥なら食べられるかと思って作ったんだけど・・・」


「あ、ありがとうございます」



いつもなら食べられないだろうが今日は違った。



子どもたちの足音や声

時々聞こえるお義兄さんとお義姉さんの声

この環境の変化が、安心感へ変わったみたいだ。



今も、ドアから覗く顔が縦に3つ。



可愛いなぁ。




「雅なら、もう少ししたら帰ってくるから」


「あ、はい・・・本当にありがとうございます」


「いいのよ。妹だもの、もっと頼ってほしいぐらいよ」


「いえ、もう十分お世話になってますから・・・」



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