狼ゴコロは愛のイロ
*玖美SIDE
ガシッ
「っ!!?」
「やっと会えましたね」
チャイムが鳴って、玄関のドアを開けてあたしは思わず息を止めた。
「な、ななんでお前がここにいるんだ!!?」
「そんなことは愚問だと思いますが?」
今、あたしの目の前にはストーカー男の手首を強く握っているであろう雅の大きな背中。
あたしにはストーカー男の顔は見なくて良いと言った雅。
その意図がストーカー男の声でよくわかった。
「あなたが玖美を苦しめた、ストーカー、佐藤修矢さん。いや・・・・」
その声を忘れるはずがない。
5年前の悪夢が蘇る。
「久片 駆人<ヒサカタ カリト>さん・・・・・・・」