狼ゴコロは愛のイロ
■第一章:夫婦の始まり
┠最愛の人
ピンポーン
あ、帰ってきた!
玄関のチャイムが鳴り響く。
急いで玄関のドアを開けると、待ち望んだ人が立っていた。
「雅、おかえり」
「ただいま、玖美」
心地いい低い声に、胸がキュンとなる。
頭に気を付けて入ってくる彼は、190cm以上の長身を持つノッポさん。
あたしは160cmちょいだから、30cmも違う。
ヒールを履いても余裕で20cmの差があるしね。
「ご飯用意してるから、早く食べよう」
「うん。でもその前に・・・」
前を歩く彼がリビングに入るとクルッとこっちを向いた。
「キス、してもいい?」
「え、あ、うん」
「ありがと」
ニッコリ笑ってそう言うと、彼は優しくあたしの頬を撫でて顔を近付けてきた。
目を閉じれば、優しい甘いぬくもりが唇に触れる。
「柔らかい、玖美・・・」
「ん・・・皆・・・一緒だょ・・・・・・」
何度も優しく触れるようなキスから、ゆっくり深くなっていく。
瞬間的に、雅の服にしがみつき体を堅くする。
「玖美・・・大丈夫・・・俺だよ・・・」
「ん・・・・ぁっ・・・雅・・・」
「そうだよ」
声を聞けば、体の力が抜けていく。