狼ゴコロは愛のイロ
上司・・・・・・?
あぁ!!
「瀬崎さんね」
「一体どうやって説得したんだ?」
「どうって・・・ただ毎日雅との話をしただけ」
「え?」
毎日毎日『どうせ5年後ぐらいには結婚を後悔するさ』とか嫌味を言われるから
『雅はあたしの料理を美味しいって言ってくれます』
『髪を切ったら似合うって笑ってくれます』
『あたしが疲れてるときは変わって家事をやってくれます』
『あたしが悩んでるときは頭を撫でて隣に寄り添ってくれます』
とか・・・とにかく毎日そんなことを言っていた。
「そしたら、ある日突然『俺は、自分ばっかり可愛かったらしい。思い出したよ。俺が妻に惚れた理由を』だって」
「そっか。・・・良いことしたのに逆恨みされるなんて、災難だったな本当に」
雅の言葉に、何度も大きく頷いた。