狼ゴコロは愛のイロ


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あたしと付き合う前は、恋愛経験が皆無だったと話す雅だけど



「玖美とのキスはやっぱり気持ちがいい」


「み、雅・・・」



キスでいつも骨抜きにされちゃう。



優しくて甘くて、愛情に溢れた雅のキスは、あたしをいつも安心させてくれる。



力が抜けたあたしを抱き上げてソファーで寛ぐ。



「キスがこんなに気持ちがいいって知ったのも、玖美のおかげだよ」



ニコニコ笑って言う雅。



結婚式の時に知ったけど、同僚の人からはかなり恐がられているという。


でも実際はあたしにたくさん愛情を注いでくれるような、愛に溢れた人。



確かに普段は必要以上に笑ったりはしないから、無愛想って思われるかもしれないけど、あたしと触れ合ったときはいつもニコニコしてくれる。




だけど、ちょっと疑問がある。



「どうして、こんなにキスが上手なの?」



訳があって、一昨日の初夜まで、あたしたちはキスだってフレンチしかしたことがなかった。



なのに、初めての深いキスで、あたしはもう体に力が入らなくなってしまった。




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