狼ゴコロは愛のイロ
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「風呂上がったよ」
「あ、うん・・・」
テレビを見ていると、脱衣所から雅が出てきた。
「ねぇ、雅」
そのまま、書斎へ向かう雅を引き止めて、あたしは一斉一大のお誘いをする。
「寝室で待っててほしいの」
顔が熱い。
だってこんなこと言うの、生まれて初めてだもん。
恥ずかしくて俯いていると、雅の足が見えた。
「いいの?」
目の前に立つ雅は、本当に心配そうな表情で、あたしを見つめていた。
「うん。あたしも、乗り越えたいから。雅と一緒に・・・」
「・・・・・・・・・わかった。待ってるから」
優しく微笑むと、書斎ではなく寝室に入っていった雅。
あたしが寝るまで書斎にいてくれるんだよね。
雅の細かい気づかいのおかげで、あたしは本当に幸せだよ。