狼ゴコロは愛のイロ
「雅・・・・・」
寝室に入ると、雅はベッドで本を読んでいた。
「玖美、おいで・・・・・」
本をたたむと、うわかけをめくってあたしを呼ぶ。
これ以上ないくらい、緊張してる。
一昨日も緊張した。
声が出ないくらい。
一昨日も頑張ったけど、どうしても震えが止まらなくて、雅に止められた。
『怖いのを我慢しなくていいんだ。俺は、玖美を愛してる。ずっと待ってるから、焦らなくていいんだよ』
「本当に大丈夫?」
ベッドに入ると、雅が頭を撫でてくれる。
「大丈夫。でも約束して」
「なに?」
「ずっと、あたしに声をかけてほしいの。この手は雅のだって、あたしに教えてほしいの」
「・・・・・分かった。でも、いつでも無理だって思ったら素直に言うんだよ?」
あたしが頷くと、雅はあたしを抱き締めて、キスをしてくれた。