狼ゴコロは愛のイロ
「愛してるよ、玖美・・・愛してる・・・」
「あたしも・・・ん・・・」
左手はあたしの指と絡めて
右手は、頬を撫でて
それから気の遠くなるぐらい、あたしはキスで翻弄され続けた。
「あぁ・・・綺麗だよ、玖美・・・」
声が聞こえたときには、部屋は薄暗くなり、パジャマや下着は取り払われていた。
え、え?いつの間に?
「はは、気が付かなかった?良かった。一昨日も服を脱がされる時、すごく恐がっていたからね」
「は、恥ずかしい・・・」
胸元を腕で隠す。
「恥ずかしくなんかない。俺にとってはもったいないくらい綺麗だよ・・・」
「雅・・・」
「ホント・・・鼻血でそう」
口元を手で覆う雅に、あたしは笑みが零れる。
最中にこんなムードのないことを言うのも、彼が初めてだ。
「やっと笑ってくれた」
「え?」
唇に触れるだけのキスをすると、彼も微笑んでいた。
「俺は、言ったように今回が初めてだから、他の人が玖美にどう触れたかは分からない」
「考えたら嫉妬するし」と嫌な顔をする。
「だから、どんなふうなのが普通とか分かんないんだ」