狼ゴコロは愛のイロ
*雅SIDE

―――・・・
――――――――――・・・


「おやすみ、玖美・・・」


「おやすみ・・・」



額に唇を落とせば、安心して眠りに就いた玖美。




俺は、中々寝付けなかった。



やっと玖美と愛し合えた記念の夜だから・・・



幸せだ。


玖美の寝顔を見て改めて思う。



こんなに綺麗な玖美を乱暴に扱っていた過去の男には殺意が芽生える。




でも、もう玖美が不安を抱かないように、これからは俺が彼女を愛していく。




会社の同僚が見たら驚くだろう。



俺自身が一番だけど。



玖美に出会うまでは、心惹かれる人はいなかった。



自分がこんなに人を愛せるんだと気付いたのは、彼女のおかげだった。





そんな彼女と初めて出会ったのは電車内だった。





その状況も今思えば、最悪だった。







< 21 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop