狼ゴコロは愛のイロ
*玖美SIDE
「雅、雅・・・」
目覚ましが鳴っても起きない雅。
珍しいな。
あたしは、お弁当を作るためにひと足早く起きた。
目覚めて雅の顔を見た瞬間、昨日のことが思い出されて1人でアワアワしちゃった。
「雅、遅刻するよ!」
「う~?今何時?」
「7時・・・」
「あ~、起きるよ・・・」
「目覚ましで起きないなんて珍しいね」
「昨日は興奮して玖美が寝た後も少し起きてたんだよ」
もう、朝からそんなこと言わないで!
「はは、可愛いな玖美。おはよう、起こしてくれてありがとう」
後ろから抱き締められて、頬にキスをされた。
「さて、シャワー浴びてくるわ」
雅びは、ぼーっとするあたしを置いてスタスタと部屋から出ていった。
後ろから抱き締められたの初めてかもしれない。
だんだん、あたしも普通に戻ってきてる。
良かった・・・・・・
全部雅のおかげだね。
あたしは上機嫌で朝食の準備をはじめた。