狼ゴコロは愛のイロ
でも何か、こうしてプライベートで会うのは、何だか緊張した。
「玖美ちゃん。お料理も運んだから、食べよう?」
「あ、うん」
お花を花瓶に活けて、あたしもテーブルの前に座った。
「じゃぁ今日は、雅と玖美ちゃんのこれからを願ってカンパーイ!!」
「カンパーイ!」
「「え?」」
顔を見合わせるあたしと雅くんをスルーして、料理をつつく二人。
「ほら、顔赤くしてないで食べないとなくなるよ」
「なっ?!赤くなんて」
「お、宗も赤いぞ。酔ったか?」
「お、お前じゃないんだ酔うことなんてない!」
もう、今日はお礼がしたくて招待したのに、何だかのどかと龍一くんに遊ばれてるのか、はめられたのか・・・
思えば、あたし達ってあの時出会ってなくても、二人に会わされるはずだったんだもんね。
最初から最後までお世話になりそう、この二人には。
「雅くんも食べて、頑張って作ったんだから」
「う、うん」
「いいよなぁ、彼女が料理上手くてよぉ」
「ばっ!お前、だから彼女とかじゃないんだよ」
「雅くん、慌てすぎ~」