狼ゴコロは愛のイロ
*雅SIDE
昼休みに入ると、また周りに人が集まってきた。
玖美の弁当見たさらしいが、少し欝陶しい。
「おぉ。今日もすごいなぁ宗苑」
「美味そう!」
「俺も結婚したくなってきた」
よく、ちゃんと早起きして作ってくれるよ。
昨日は寝るのが遅かったし、彼女の体が心配だったんだが。
「奥様の愛妻弁当いいですね。宗苑さん」
「ん、あぁ・・・」
チラッと見ると、同期の女性だった。
すごいな、同性をも引き付けるんだな玖美の弁当は。
そして、ようやく人だかりが消えた頃
プチラブレターを見る。
「お前、家でデレデレだろ」
幸せな瞬間を邪魔するのは、隣の龍一だ。
「デレデレなんかしてない」
「玖美ちゃんの前だと頭が上がらなそうだもんな」
「無駄口を叩いてないで、さっさと昼飯行ってこい」
俺が弁当を食い始めると、ニヤニヤしながら龍一は社員食堂に向かった。
・・・・・・・美味い。