狼ゴコロは愛のイロ
「あ、俺。緊急事態だから、明日から───」
電話をしている間に思い出す。
そう言えば、ご飯作らなきゃ!
何も用意してない!
雅の腕から抜け出そうとしたら、腕が腰に回されて戻されてしまった。
「じゃ、よろしく。どうしたの?」
「あ、晩ご飯の用意をしようと思っただけ」
「そっか。そうだったな。今日は俺も手伝うよ」
「ホント?!助かるわぁ!」
それから簡単に支度をして晩ご飯にした。
「明日から、送迎車頼んだ」
「え、送迎車?」
「あぁ。行きは一緒にいられるが、帰りは別々だから危険だろ。だからうちの人来てもらうことにしたんだ」
「そっか・・・何か迷惑ばかりかけてるね」
「迷惑じゃない。これが普通なんだ。玖美は頼らなすぎなんだよ」
「うん、ありがとう」