狼ゴコロは愛のイロ
「おはようございまーす!」
「お!おはよう、宗苑さん」
「あ、おはようございます。鎌田さん」
席に着くと、社内の女子に不評の鎌田さんに捕まってしまった。
「やっぱり君は綺麗だね。ホント、今の旦那にはもったいないくらいだよ」
「何言ってるんですか鎌田さん。あ、新婚のあたしが羨ましいんですね」
さりげなく雅のことを悪く言ってくる鎌田さん。
「そんなんじゃないよ。あんな過去に女っけの無い旦那で毎日満足しているのかってね」
「とっても満足してますし、幸せですよ!あたしに家事全部押し付けないでちゃんと協力してくれますし、あたしが悩んでいれば話を聞いてくれますし、パーフェクトな旦那様ですよ!!」
夜の方の話をされているのは分かるけども、わざと話を逸らした。
そんなことまで彼に言う必要はないし、彼に想像もしてほしくない。
そんなあたしの態度が気に入らなかったのか、フンと鼻で笑った。
「ま、身体が満足できなくなったら、いつでも声をかけてよね」
そう隣を通り過ぎるときに吐いていった。