狼ゴコロは愛のイロ


「あ、来た来た!噂の宗苑くん」


「よう、龍一サンキュ」


「約束守れよな」


「わかってるよ」


「座って座って。俺たち、同期なのに話したことなかったじゃん!だけど結婚式呼んでくれてさ。これからは仲良くしようぜ」




呼びたくて呼んだんじゃない。うちの親が勝手に招待状大量に作って送りつけただけだ。



今まで彼女が出来なかった俺がとんでもない美人を連れて行ったことに、両親は心底驚いて喜んでいた。



それで、「結婚式をするなら、一緒に働いている人皆呼べ」と、無謀なことを言い出した。



無駄に金があるからそんなことも出来るんだが、そのためにこんなことになっていると思うと、つくづくあの両親は余計な事をやってくれるとうんざりする。




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