狼ゴコロは愛のイロ
「にしてもあんな美人どこで見つけたんだよ。超スタイルもよくて驚いたよ」
「すっげー羨ましかった。それは愛妻弁当か?いいねぇ。独り身には痛いよ」
と言っているのは、短い期間に何人も女をとっかえひっかえしているような男達だ。
まともな女性にしたらふざけるなと言われるような男たちだが、外見が良いと、一晩だけならと言う女性が絶えないらしい。
「別に龍一に紹介してもらっただけだ」
実際は違うが、深入りされるのを避けるため、嘘を吐いた。
それに、あながち間違ってもいない。
「はっ!?何で先に俺に紹介してくれなかったんだよ龍一!!」
「全くだ。俺だったら絶対落としたのに・・・」
「お前らは真面目に付き合うようなタマじゃねぇだろ。玖美ちゃんは軽く付き合えるような女の子じゃねぇの。つーか、坂下今何股だよ」
ニヤリと笑いながら5股と平然と答える坂下に、呆れを通り越して感心する。
俺にはそんな器用な芸当はできないから。
玖美一人でいっぱいいっぱいになってしまう。
「つーか、今度の合コンCAだろ?綺麗どころ集めろよな。俺美人以外いらねぇ」
「わかってるよ。知り合いに頼んでるから大丈夫だろ」
「まぁ、お前はいつもいい女集めてくれるからなぁ。近くのホテル用意しとこうかなぁ」
「ったく、お前ヤることしか考えてねぇだろ。ってか合コン中も顔と体しか目いってねぇんじゃねぇの?」
笑いながらそういう話をする男どもに、俺は嫌気がさすばかり。
何で俺はここに呼ばれたんだ?
妻のいる俺には関係のない話だ。