狼ゴコロは愛のイロ


一睨みきかせただけでこの様だ。



守るものもない、見かけだけの男たちに、言いたい放題させられるほど、俺は優しくない。




「俺にとって玖美は全てだ。前菜、メインディッシュ、デザート、全てが玖美で初めて満たされる。他の女は申し訳ないが役不足だ」


「・・・カッコいいこと言いやがって。じゃぁ彼女にとってはお前は役不足なんじゃないか?」




それには、さすがに何も言えなかった。



玖美が俺を愛してくれてるのは分かる。



だが全てにおいて役不足じゃないと言い切れるほど、俺には自身が無かった。




「お前ら、いい加減にしろよ」



横から出てきたのは、龍一だった。




「何だよ、龍一」


「結婚式におまえらが呼ばれたのは、お節介なこいつの両親のせいだ。別にお前らに玖美ちゃんを見せ付けようなんて宗は思っちゃいなかった。」



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