狼ゴコロは愛のイロ


玖美の職場────────・・・


「玖美ちゃん、お昼行こう?」


「あ、どうしよう。あたし、今日からお弁当にしたの」


「うわぁ、新婚らしいわねぇ。でも別に問題なくない?」


「そうだよ。お弁当持っていけば良いよ」




お昼休みに入り、玖美はいつものメンバーと社員食堂に行くこととなった。



いつもの席が空いていたためそこに座り、玖美以外はご飯を頼みに行った。



その時、席に玖美が一人なのを見計らって、ある男性社員が近づいてきた。




「三上さん、いや、今は宗苑さんだね。結婚おめでとう(僕の苗字になるはずだったんだけどなぁ)」


「あ、鎌田さん。ありがとうございます」


「一昨日はごめんね。出席したかったんだが、どうしても優先しなければならない用事が出来てしまって(君と他の男の結婚式なんて誰が行くか)」


「いいえ。お気持ちだけで結構です。皆来てくれて私も本当に幸せです」


「それは良かった。(僕が幸せにするはずだったのに)まぁ、結婚したって理想と違って悔やむ人もいる。そんな時はいつでも俺を」


「確かにそうね。あの人に悔やまれないように、幸せにしてあげるわ。絶対に。ありがとう!あたし頑張るね」



完璧な笑顔を向けられ、何も言い返せなくなったのだった。



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