狼ゴコロは愛のイロ
「するもんか!玖美がいやって言ったって、一瞬だって離さない」
優しく抱き締めてくれる雅の背中に腕を回す。
「雅は、いつだってあたしを守ってくれるヒーローだもんね。頼りにしてます」
出会ったときからあなたはヒーロー。
あたしを助けてくれた王子様。
周りの声には惑わされない。
だって、雅のことを一番理解しているのはあたしだもの。
誰が何と言おうと、あたし達はベストカップルなんだから。
彼の肩に頬を擦り寄せると、ふと彼は言う。
「俺がヒーローかぁ」
「そうだよ。ヒーローで王子様なの」
「じゃぁ明日も玖美を守れるようにエネルギーチャージをさせて?」
そう言うと、あたしに覆いかぶさる雅。
エネルギーチャージって・・・。
言葉の意味がわかると、顔が赤くなるのを感じる。
雅の瞳は限りなく甘くて、見つめられるだけで、溶けちゃいそう。
「玖美、愛してるよ。玖美の全てを感じさせて」
「ん・・・雅・・・・・・」
ゆっくりと触れ合う唇に、あたしは目を閉じた。
あまりの幸せに気付かなかった。
あたしたちを引き裂こうとする手が傍まで、来ていることに・・・。