狼ゴコロは愛のイロ
でもそれからすぐだった。
異変が起きたのは。
ブ―――― ブ――――
いつも通り自分の席で弁当を食べている時だ。
誰だ?
ディスプレイには[玖美]の文字が。
自然と頬が緩むも、引き締めつつ電話に出た。
「もしもし?」
『あ、雅?あたしだけど』
「うん。何か」
瞬間的に分かった。
昼休み中でも電話をかけてきたことのない玖美がかけてくるのは
「何があった?」
よっぽどのことがあった証拠だ。
『雅・・・帰ったら見せる。知らない間に鞄にカードが入ってたの』
「・・・カード。どんな?社内で誰かに?」
『多分。目を離した隙に入れられたんだと思う・・・』
玖美を守ると言いながら、やっぱり離れている間はどうしようもない。
「玖美、のどかちゃんに話して、一緒にいてもらった方がいい」
人がたくさんいる場所なら安全だろうが、一人になる時が心配だ。
『でも、のどかにまで迷惑かけられない』
「玖美・・・・・・」
『まだこんなカードが送られてくるだけだから心配ないよ』