狼ゴコロは愛のイロ
*玖美SIDE
「お邪魔します」
「さぁ上がって上がって、皆、玖美お姉さんが来たわよ~」
「「「わ~~い!!」」」
雅のお義姉さんである絹笑さんの声に、雅の甥っ子達と小さな姪っ子ちゃんが走ってきた。
ここは、雅の実家。
いつものように迎えに来てくれた車に乗り込むと、運転手さんの山田さんが雅に言われたと、あたしを宗苑家に送ってくれた。
《雅様は奥様を心配しておりました。私もお力になりますので、何でもお申し付けください》
丁度あたしぐらいの娘がいるという山田さんは、今回のことを聞いて、本当にあたしのことを心配してくれている。
山田さんだけじゃなくて、絹笑さんや、雅のお兄さんの史皇さんも助けてくれている。
「いらっしゃい、玖美さん」
子ども達に連れられて中に入ると雅よりも背の低くい、和装のイケメンさんがいた。
「こんばんは。すみません、ご迷惑ばかりおかけして」
「君はそればかり言っているね」
「え?」
「家族なんだから、お互い様だよ。それにこうなってるのは君のせいじゃないでしょ」