狼ゴコロは愛のイロ
「まぁ、背があれだけ高いから、恐がられて子どもからも近づかれなかったし、どう接していいのか分からないんだって」
苦笑いをする史皇さんにあたしも納得。
だけど、あたしとの子どもなら欲しいって思ってくれたのかな?
「玖美さんと出会ってからの雅は本当に変わったよ何か丸くなって柔らかくなったね」
「それに、史皇のこともこんなふうに頼るようになったし」
大輔くんと交替をして椎果ちゃんに面倒を見る絹笑さんが、史皇さんに笑いかける。
「確かにそうだね。今までは何でも一人でやってやるって感じだったけど、今はこうして俺を頼ってる」
「どうしてだか、分かる?玖美ちゃん」
「ん・・・いいえ。分かりません」
「守るものの重さだよ」
「重さ?」
頷く史皇さん。
「今までとは違って、玖美さんを守る覚悟が出来たってこと。守るためには自分一人では限界がある。男には変なプライドもあってね。彼女は僕が守るなんて考えがあるけれど、それは理想だよ」
「理想・・・?」
「本気で誰かを守るなら、人の助けがなきゃ無理だ。今回も雅一人では限界がある」