狼ゴコロは愛のイロ


「男のそんなプライドを捨てでもあなたを守ることをしっかり考えてるのよ」




「愛されてるわね」とニッコリ笑う絹笑さん。




そうなんだ。


雅は普段からあたしを守るってよく言ってくれてるけど、人から改めて言われると、本当にあたしは大事にされてるんだということがよくわかった。



早く雅に会いたいな。



今頃お仕事を頑張っているであろう雅に、急に会いたくなった。




と、想いにふけっていると、後ろから声がした。




「あれ~?玖美ちゃん、これなぁに?」




一番上のお兄ちゃん、亮太くんがあたしの鞄から例のカードが入った封筒を取り出していた。




それはダメなの!



「あ!亮太くんそれ」


「亮太、お父さんに言われたこと忘れたの?」


「え?・・・・・あ・・・・・」




絹笑さんの言葉で亮太くんはしゅんとしてカードをそのまま鞄に戻した。



良かった。亮太くんに興味を持たれたら大変だもの。



中身は見られていないから多分史皇さんや絹笑さんにもバレていないと思うけど。




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