狼ゴコロは愛のイロ


皆のいる部屋の襖をあけると、雅の眼下には椎果ちゃんが座っていた。



「ふぇっ・・・」


「あ、ヤバイ」


「ふぎゃ~~~~~~~~~~!!!」



みるみるうちに目を潤ませると大声で泣き出してしまった。




「あぁ、椎果、ほら泣かない」



すぐに史皇さんが抱き上げる。



「おかえり、雅。飯食べろ。話はそれからだ」


「あぁ、わかった。そういえば、絹ちゃんは?」


「今呼ばれて旅館のほうに行ってる」


「あ、そう。玖美ちょっと待ってて」


「うん」









雅がご飯を食べている間に、大輔くんと亮太くんと椎果ちゃんはお風呂に入って寝る準備を始めた。




「雅、それで話ってなんだ」



雅がご飯を食べ終えると、史皇さんはさっそく話を切り出した。



「写真を送られてきた日から今日までは何もなかったんだが、今日の昼玖美から連絡が来て、鞄の中に勝手にカードを入れられてたらしい」


「え、雅?」



今日のことまで史皇さんに話すの?




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