狼ゴコロは愛のイロ


「玖美さん、言ったはずだよ?困ったときはお互い様って。雅に聞いたけど、君は昔から酷い目にあってきたそうじゃないか。君が一番ストーカーの怖さを知ってるんじゃないの?」


「・・・・・・・はい」


「兄さん。あんまり玖美を脅さないでくれ」


「お前は優しすぎるんだ。ストーカーは立派な犯罪だ。一人でどうにかできるもんでもない。それを本人が自覚しなければ、また同じことが繰り返される」



史皇さんの言う通り。


雅もいつも言ってる。


一人で背負い込まないでって。


いくら自分が用心していようと、今日だってちょっとした隙に鞄の中に入れられていた。


一人じゃ、解決できない。


だけど・・・・・・・・・・




「雅の言うとおり、以前私はストーカー被害に合っていました。一人では解決できないと思ったので、友達に相談しようと思いました。でも、そう考えた時に・・・」




私の手元に送られてきた友達の写真。


一緒に入っていた手紙には




[彼女も、可愛いね。この子に鞍替えしようかな]




私が彼女に助けを求めることで、今度は彼女がターゲットになってしまうかもしれない。




「それがあって、もう誰も頼ることが出来ませんでした」


「今回はそういう類のものは来てないの?」



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