狼ゴコロは愛のイロ
「はい。今のところはあたしや雅に関するものだけです」
「そう。なら今後そういうものが来たって関係ないよ」
「もう関わっちゃったからね」と可笑しそうに言う史皇さん。
「兄さん、笑いごとじゃないぞ」
「あぁ、すまない。でも、そういうことだよ玖美さん。俺たちはもう関わってるんだからそんなこと心配しなくてもいいんだからね?」
「お義兄さん・・・・・・ありがとうございます」
笑って頷く史皇さん。
やっぱり似てるなぁ。
兄弟だから当たり前なんだけど。
「それで玖美、今日勝手に鞄に入っていたっていうものは?」
「あ、それは・・・・・これ」
鞄から取り出してテーブルの上に置く。
何の変哲もない普通の茶封筒。
雅が封筒からカードを取り出す。
「・・・・・っ!?」
「随分ストレートなストーカーだね」
【愛する君へ】
真っ白なカードにはたった一言それだけが書かれていた。