狼ゴコロは愛のイロ
「強くなってくれるのは嬉しいけど、あまり強くなりすぎないで」
「どうして?」
体を離してあたしの顔を見つめる雅。
「玖美が一人で何でもできるようになったら、俺は必要なくなるだろ?それは寂しいから」
肩を落とす雅に不覚にも胸がトキメクあたし。
いつもは強いくせに、時折ふと弱い部分を見せる。
それにあたしがどれだけ心を動かされるか知らないで。
あたしは静かに彼にキスをした。
「雅はあたしの半分なんだから、必要なくなることはないんだよ?一生、死を迎えるその時まであたし達は一緒でしょ?」
「玖美・・・・。あぁ、そうだな。俺も玖美を離す気は毛頭ないよ。その時が来るまで、俺は君のヒーローであり続けるから・・・・」
雅の手が優しく頬に触れると、重なる唇。
何度も何度も重なる唇に、頭がフワフワしてくる。
そして徐々に深くなるキス。
唇でさえ離れることを惜しむように、あたし達はキスを交わす。
温かい雅の手に翻弄されるあたしの体と心。
今までの経験がリセットされればいいのに。
綺麗な体のままで、初めてをあなたに捧げたかった。
「玖美、綺麗だよ。・・・・・本当に、綺麗だ・・・」
「雅・・・・もっと触れて・・・・・」