狼ゴコロは愛のイロ
「でも、がっかりしなかった?」
「がっかり?」
キョトンとする雅に、頷く。
だってAVとか雑誌には、あたし以上に綺麗でスタイル抜群で魅力的な女性がいるし・・・
友人達から彼女との幸せな話を聞いて、雅も自分もいつかと憧れていたんじゃないかな?
「それなのに、初めてがあたしなんかで・・・」
「玖美、何度も言ってるよ。君は綺麗だ。正直君との初めては、俺が想像していた以上だった」
羨ましいと誰からも言われるあたしの身体だけど、それは表面だけ。
キス以上の行為をしたのは過去の2人の彼氏のうち1人。
でもその人はその後、あたしにストーカー行為を働いた。
しかもその前の彼には、レイプされかけた。
あたしの身体は・・・・・・
純粋な愛の行為をされたことがないことに、あたしはコンプレックスを抱いている。
でも、その気持ちを理解してくれているから、雅は最中に愛の言葉を欠かさないでくれる。
「俺だって初めてだったんだから上手に君をリードできるのか、気持ち良くさせてあげられるのかとか不安だったんだよ?」
「え、そうなの?」
「そうだよ。今だってこんなだ」
雅は、玖美の手を自分の心臓部に持っていく。