狼ゴコロは愛のイロ
「わかる?」
「うん、わかる。あたしと同じ」
「ハハ、よかった」
「ふふ。・・・経験数とか関係ないよね。そこに愛があるかないかなんだね」
「そう言ってくれると安心。ちなみに知識だけならあるから、そこに俺の愛が加われば、もっと玖美を愛せるよ」
あたしの大好きな声が耳の鼓膜に響く。
「もう、雅ったら」
「あぁ、可愛いな玖美は。そんな顔、俺以外に見せたらいけないよ」
「雅があたしを離さない限り見せない」
「じゃぁ安心だ」
さっきまで気絶していたのは誰かしら、そう思いながらも、クスクス笑いながら二人で抱き合うこの時間が、あたしは大好き。
「そろそろ朝ご飯食べよう?」
「ん―・・・まだこうしてたい」
「え―、あたしお腹空いたよ」
「俺も空いたけど、まだこうしてたいの」
もう、今朝は普段にも増して甘えん坊なんだから。
起き上がろうとするあたしを、逆に組み敷こうとする雅。
男女の力の差に加えて体の大きさから、力が適うはずもないけど、雅は絶対に強引にはしない。
「今日は子どもみたいね。寝てるときだってあたしの胸元に顔をうめていたし」
「・・・それは、柔らかいから枕と勘違いしたんじゃない?」