狼ゴコロは愛のイロ
そして、人だかりが薄らいだ時、お弁当を包んでいた布に小さな手紙がついているのに、雅は気付いた。
「・・・・・・・?」
不思議に思い、見てみると
「フン、いいなぁ。人生薔薇色だな」
隣から龍一がちゃかすが、雅には聞こえていなかった。
最愛の妻からのプチラブレターを見つめる眼差しは、仕事場では見せたことのないこの上ない優しいものだった。
「宗苑さんが・・・」
「あんなに優しい目もするのね」
「何か、印象変わったかも」
「宗苑さんて、背も高いしスタイルもスラッとしてるよね」
「うん。顔だって悪くないし・・・髪も黒髪サラサラだし」
「仕事一筋だと思ってたのに、あんな表情もするなんて・・・」
いつも無愛想なのに、突然見せた意外な表情のせいで、雅の株は一気に上がっていった。