狼ゴコロは愛のイロ



ゴンッ


「いだっ!!」


「雅くん、さぁ我が儘言わないで起きようね」



「目が笑ってない」と言いながら頭をさする雅に背を向け、あたしは寝室を出た。




実際には怒っていないけど、この調子だと朝食の準備が出来そうにないもの。




「んもう、あのギャップがあたしをひきつけてるって知っててやってるのかな?」



会社からの電話があった時や、龍一からの話で、普段はポーカーフェイスで口数少ない堅物だという雅が、自分の前では甘えん坊な部分を見せてくれる。



あたしは、それが嬉しくてたまらないわけで・・・。




「可愛いんだから・・・」



自然と出てくる笑みを堪えきれない。




そんな自分に、幸せだなぁと感じていると、玄関のチャイムが鳴った。




「はい。・・・あ、はい。どうぞ」



インターホンごしに見えるのは、宅配のお兄さん。



何だろう?


実家からかな?






「ご実家から小包です。印鑑お願いします」


「あ、はい」



宅配業者を招き入れ、玄関棚に置いている印鑑を取り押そうとした瞬間




ギュッ



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