狼ゴコロは愛のイロ
「な、何をするんですか?!」
手を握られ、慌てて引き抜くと、その人はニヤッとする。
それにはゾクッと体中に鳥肌が立つ。
「玖美?どうした?」
後ろからの雅の声に我に返る。
「では失礼します」
雅の顔が見えるや否や、その人は小包を置いて出ていった。
すると、気が抜けたように壁に寄りかかる。
そんな玖美に雅は驚いて抱き留める。
「玖美?!どうした?玖美?」
「雅・・・・・・怖かった・・・」
「え?・・・ただの宅配じゃなかったのか?」
ぐったりするあたしと、小包を、雅はリビングへ運んでくれた。
ソファーに座らされると、雅は小包を見た。
「その男、何て言って持ってきた?」
「・・・・・・ご実家からって・・・」
「確かに、送り主は玖美の実家のものになってるよ。けど、住所見ただけで実家なんて分からないだろ」
あ・・・・・・・・・・・。
まさか、さっきの人って。
全身から血の気が引くのが分かる。