狼ゴコロは愛のイロ


それじゃぁ、あの人が今までの犯人?


どうして実家の住所まで・・・。




「けど、送り先は俺になってる」


「え?」


「ほら」と見せられた小包には、確かに雅の名前が記入されている。




「送り主は、さっきの男自身か、共犯者か・・・。とにかく開けてみるか」


「うん・・・・・」




どうしてあたしじゃなく雅に?




ガムテープを剥がし箱を空けると、雅は目を見開いた。



雅の隣から恐る恐る覗いてみると、目を疑った。




「っ!!?」




中には、避妊具とベビードールが入っていた。



そして、昨日同様のカードまで。




《愛のないセックスにはちょうどいい刺激になりますよ》




グシャッ




雅はカードを潰すと、段ボール箱に入れた。




「これは、俺が捨てとく」




もしかしたら、残しておいたほうが、証拠になるかもしれない。



そう思ったけど、あれが近くにあるとは思いたくなくて、あたしは何度も頷いた。



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