狼ゴコロは愛のイロ
空いている会議室に駆け込むと、急いで雅にかける。
RRR・・・RRR・・・・・
お願い、出て、雅!
お願い、早く!!
コツコツコツ
「・・・・・・!!」
途切れない発信音に、不安が更につのってきた時、ふと聞こえてきた足音。
『・・・もしもし、玖美?』
コツコツコツ・・・
『玖美?・・・どうした、玖美?』
すでに電話に出ている雅に気付かないほど、あたしの耳に響いてくる足音。
コツコツコツ・・・
「はぁはぁはぁ・・・・・」
『玖美?!玖美、返事してくれ!!』
近づく足音と共に大きくなる心臓の音。
いや、来ないで!!
「・・・鎌田さ~ん?どうしたんですか~?」
っ・・・のどか!
「あ、いや、三上さんがこっちに来たような気がしたんでね」
「あ、それじゃぁあたしが様子見てきますから、戻っていてください」
あたしは、のどかの声に安心してその場に座り込んでしまった。
あっ、雅!!
時すでに遅く、携帯の画面は真っ暗だった。