閑中八策
 あるいは日本で日の目を見ない技術なら、外国に売り込む手もある。
 中国、インド、ベトナムなどこれから原発を持とう、あるいは増やそうという新興国はたくさんある。
 これらの国にとっても、福島県の放射能汚染は他人事ではない。

 そういう国は、人口密集地域の超長期間の低、中レベル放射能汚染という事態を日本人がどうやって解決するのか、そのためにどんな技術や装置を発明するのか、興味津津で見守っているはずだ。

 そういう国に放射性物質の分離、濃縮の技術を買ってもらって、海外で実用化してもらえばいい。そうすれば将来日本に逆輸入できる可能性が残る。

 原発事故後、すかさず放射性元素の分離技術の研究を始めて成果を出した科学者、技術者は日本の宝である。
 その宝に「使われるあてのない」技術の研究を無為に続けさせるのは日本にとって国家的損失である。

 もしそういう技術を使う気がないのなら、早く方向転換してもらうか、海外への売り込みに今から取り組んでもらうべきだ。
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