恋時雨


「あ…有海……一番前じゃんっ!最悪…」

「……」

なんなのコイツ。
静かなのは苦手なタイプ?
だったら私と正反対。

―――ガラッ……

「お!結威、もう居たんだ!今年も同じクラスだな」

「おー、よろしくな」

「結威!宜しく!アンタまた一番前?最悪じゃん」

「そうなんだよ……お前変ってくれよ」

次々に生徒が入って来る。
入って来る度に、有海結威に何か話しかける。
騒がしい奴―――。


―――――――――――

そのうち、担任が入ってきて色々と話してた。
内容は全く訊いてなかったけど。

面倒くさい入学式も終わり、もう下校。
帰りの準備をしていると、クラスの1人が呼びかけをしている。

「ねえ!みんな、親睦会やろーよ!」

如何してそんなに騒がしい事が好きなんだろう……。
私には関係ない、とバックを持った時だった。

「筑路、お前も行くだろ?……っつか、行こうぜ?」

話しかけてきたのは、やはり有海だった。

「行かない」

「何でだよ、人数は多い方が楽しいだろ?」

「私が居たって、居なくたって変わらない。」

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