恋時雨
SIDE 結威
『ンなモン要らない』
あの後の彼女の背中を、俺は見えなくなるまでずっと見つめていた。
本当にそうなのだろうか……?
「結威、どった?行かねえの?」
「お前、言い過ぎたっつの……」
『結威!もういいよ、行きたくないヤツ無理矢理連れて行かなくても』
そう言ったのは俺の親友……っつか小学校からの腐れ縁の三浦智輝
「アイツがモテる意味が判んねえ!如何してあんな性格の悪い女がモテんだよ!俺は大っ嫌いだ!!」
「あのなあ!」
「おーおー、俺は説教は嫌いだぜ?」
「智輝」
そう名前を呼んだ時、今度はクラスの女子が俺等を呼びに来た。
「結威、智輝、荷物取ってきて。もう行くよ?」
「ああ、悪ィ」
「……」
女子の言葉に、智輝は教室に戻った、が……
「ほら、結威も!」
「ごめん、急用」