恋時雨
「つーか……筑路の家って何処だよ!?」
最悪……肝心なこと忘れてた。
此処は何処だ?来た事無い所にきちまった……。
「はーっ、如何しよう……智輝…約束守れねーかもしれん」
その前に、家にも帰れねーよ。
「……有海…っ」
自分の名前を呼ぶ声がして振り返ってみると、そこには筑路が居た。
「よ……良かったあ!俺、迷子中だったんだよ」
「……親睦会は」
「お前を連れて行こうと思って」
そう言うと、やっぱり筑路は嫌そうな顔をした。
「駅まで案内する。1人で行け」
ここまでは想定内。
けど、実際に言われると結構傷つく……。
「俺が食事代払うよ」
「いい」
「何も話さなくて良いからさ」
「当たり前」
「じゃあ……」