恋時雨
「おー、結威!お前ホントに筑路さん連れてきたんだ」
「ああ、まあ……な」
「筑路さん、結威、座って!」
全く何も訊けませんでした。
あの後、俺が何か話しても無視かうん、と答えるだけ。
俺、筑路に何かしたっけ?
「2人共、何突っ立ってんの?」
「あ、ああ」
俺は、無造作に智輝の隣に座った。
「結威、お疲れ。何飲む?」
「メロンソーダ」
「はいはい」
無意識にドアの方を見るとまだ、筑路が立っていた。
「あ、筑路!こっち来なよ!」
手招きをすると、筑路は俯いてしまった。
「え?」
「お前バカだな、ああいうタイプは無理矢理連れてこね―と」
そう言うと、智輝は立ち上がり筑路の方へ向かった。
そして、筑路の前に立つと手首を掴んだ
「こっち来なよ」
「触るな!」