恋時雨


「智輝、ちょっと来てくれ」

次の日、俺は学校に着くなり智輝を屋上につながる階段に呼びだした。

「何」

「お前は、何を考えてるんだ。」

「その言葉、そっくりそのままお前に返すよ」

「はあ?」

智輝は、階段の2段目に座って、立っている俺を見上げた。

「お前さ、筑路の事…好きな訳?」

「何でそうなるんだよ」

「あんなに人を追っかけてる結威、“アイツ”以来だから」

――――――――――――

結局、智輝に何も言えず、言われっぱなしで終わってしまった。

確かに、筑路は……アイツに似てる。

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