恋時雨
―――5年前―――
「結威、クラス離れたな。まあ、何時でも遊びに来いよ」
「智輝、お前『遊びに来て下さい』って言えねーのか?」
「んなこと、思ってねーよ」
智輝は幼馴染の新井優花が私立に行っちゃったから、悲しんでいるのだろう。
かまってちゃんの智輝も良いかも。
とか、言ってる俺も優花と仲良かったから、ちょっと悲しかったりもする。
「まあ、優花んチには今度行けばいいだろ?」
「なんで、今、優花が出てくるんだ!」
「まあまあ、っじゃ、教室行くわ!」
「結威!逃げんな!」
優花の名前を出すと、判りやすく大声をだす智輝を背中に向け、教室へと歩き出した。
――――――――――――
隣の席の女子は違う小学校だった人で、少し暗めのヤツ。
「おはよー……」
「……」
無視ですか。
顔は普通に可愛いのに……。
勿体無いなあ