蒼い唄

絡み合う戯曲

あ~ぁもう放課後になっちゃったー


何で今日に限って祐也は来ないのよー


いつも無駄に来てるくせに~


しょうがないからあたしから行くか~


あたしは隣のC組に行った


『祐也~?』


「おわ!!美波ちゃんが俺に会いに来てくれるの初めてじゃね?で、何ー何ー?」

祐也は案の定驚いている


どうしよ…かなり断りにくい…


『えーと…遊園地のことなんだけど…』

「あ~遊園地かぁ~俺美波ちゃんにメールするって言って、しなかったから~心配で俺のとこ来たんだな~」


祐也は笑ってあたしのおでこを小突いた

この男~


ある意味この性格憧れる


『いや…違うくて…』


「んー?何~?」


祐也の笑顔を見ると断りにくい…


『祐也~ゴメン!!日曜日ピアノのレッスン入っちゃった…』

私は顔の前に手を合わせながら謝った


祐也は一瞬暗い顔をしてあたしに言った

「それじゃあ、しょうがないね…楽しみだったけどまた今度ね」


祐也は笑顔で言ってくれた


『祐也、本当にゴメンね…』


あたしは深々と謝った

「ねー美波ちゃん?1つお願いしていい?」

そう祐也がいきなり言い出した


『お願い…?』


あたしは少し不安だったけど聞いてみた

「今日のこれから空いてる?」


『今日は空いてるけど…』


何だろ?


「じゃあさ~美波ちゃんのピアノ聞かせてよー」


祐也はあたしの腕を強引に引っ張って音楽室まで連れて行った


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